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円満な夫婦ほど「察してもらう」コミュニケーションはしていない

実録 夫婦関係がうまくいっている人のコミュニケーション

■家庭円満のカギは“言葉にすること”

 夫との育児・家事のバランスは岩本さんの絶妙な采配により均衡を保っているものの、今の悩みは、自身の仕事と育児・家事のバランスだという。
「仕事が押したら、家のことも押す。家庭を優先したら、仕事がキャパオーバーに。ですが、最終的に帳尻を合わすのは自分しかいないんです。来年には娘が小学校に上がるので、働き方を見直さなきゃいけないかもしれません」。

 岩本さんだけではなく、仕事と育児・家事の両立はワーキングマザーにとって永遠の課題である。“仕事も子育ても楽しむママ”なんていうものはメディアが作り上げた虚像なのかもしれない。
 ただ、岩本さんに悲壮感がないのは、夫が家庭でのパートナーとしての役割を果たしているからだろう。“指示待ち夫”だとしても、協力的に家事をやってくれる相棒がいることは、気持ちのうえで救われるものがあるのかもしれない。

 藤原家のように日常会話レベルでお互いの役割を見出していく家庭もあれば、妻が司令塔となり“指示出し”をすることでうまくいく岩本家のような例もある。10家庭あれば10通りの正解があるというものだ。
 ただ、ひとつ共通しているのは、気持ちを言葉にしていること。日常会話としてでも、直接的でも、婉曲的でも、思っていることや見聞きした事象を、自分の中で咀嚼して口に出す。“空気を読んでもらう”“察してもらう”なんていう回りくどいアプローチではなく、言葉で相手に伝えることが、お互いを理解し、分かり合える第一歩なのだ。“円満夫婦には言葉あり”。当たり前のことかもしれないが、“言葉”が人間同士のコミュニケーションの基本だということを、もう一度認識したい。

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